犬の甘噛みは本当にやめさせなければいけないのか

現在、様々な犬をお預かりしてトレーニングをしていますが、「あ、私信頼されたな。認められたな。」ととても嬉しくなる瞬間があります。

その瞬間というのは、「甘噛みをされた」瞬間です。

え?甘噛みはさせちゃいけないんじゃないの?
甘噛みはやめさせるようにトレーニングするのが普通じゃないの?

と思われたでしょうか。

そんな方に私からも質問です。

なぜ犬は甘噛みをすると思いますか?
甘噛みをやめさせるということは、犬にどういうメッセージとして伝わっているのでしょうか?

甘噛みはやめさせるものと思われがちですが、今日はちょっと別の視点からお話ししたいと思います。



甘噛みのメッセージとは



まず、甘噛みをする犬の気持ちを考えてみましょう。

甘噛みをする時の犬のメッセージは、「遊ぼう!」です。犬同士が遊んでいるのを観察していると、お互いに首元や耳元あたりをめがけて甘噛みをし、楽しそうにプロレスごっこをしています。

よくその姿を見て、「他のわんちゃんに噛み付いている!!」と勘違いされる方もいらっしゃいますが、これは犬同士のちゃんとした遊びの一種です。

もちろん、そうじゃない時もありますが、その時はまた違ったボディランゲージを出しているはずなので、遊んでいる時とは様子が違います。

遊びたいざかりの子犬が、私たち人間に甘噛みをしてくるのは、遊びたい!遊ぼう!と言うとても嬉しいお誘いなのです。



甘噛みをやめさせるとどうなるか


今、ネットで「甘噛み」と検索すると、甘噛みのやめさせ方がたくさん出てきます。

・ 甘噛みをしてきたら拳を口の中まで入れる
・ 鼻先を思いっきりデコピンする
・ 顎下をキャンっと言うまでつかむ

など。

これを会話という形であらわすならば、
「遊ぼうよ!あなたと遊びたいよ!」という犬に対して、
「あなたとなんか遊びたくない!もう二度と誘わないで!」と突き放しているということです。

おそらく、上記のようなことをされた犬は、その人を遊びに誘わなくなるでしょう。つまり、甘噛みはしなくなります。

でも、このようなコミュニケーションで犬との信頼関係が築けるのか、犬にこの人といると本当に楽しい!大好き!と思ってもらえるかは疑問です。



甘噛みのメッセージを理解したうえでどう答えるかは飼い主様次第


このように、犬にとっての甘噛みのメッセージは、「遊ぼう!」というポジティブなメッセージです。

そのメッセージを理解したうえで、飼い主様がどう答えるかは、飼い主様が愛犬とどうコミュニケーションをとりたいのか、です。

私は、自分の犬はもちろんのこと、お預かりしている犬たちに、「遊ぼう!」と甘噛みでお誘いを受けると、「喜んで!!」と、多少痛くても本気で遊ぶようにしています。

そして、さすがにちょっと痛いなっていう時は、自分の手が痛くないようにひも状のおもちゃやパペットタイプのおもちゃを持ってきて、「こっちで遊ぼうよ!」と代替案を提示して遊んでいます。

「甘噛みはやめさせるもの」と思っていた方は、犬のメッセージを改めて理解したうえで、どう答えようかと自分なりに答えを出してみると良いかもしれませんね。